ニュースリリース


2011年3月29日

時事通信社配信 「災害に強い」LPG車


「災害に強い」LPG車=知名度不足、普及進まず―被災地から感謝メールも

東日本大震災の被災地ではガソリンや軽油が不足し、給油所には長い列ができた。救急車や警察車両への影響も
懸念されるほど混乱したが、液化石油ガス(LPG)を燃料とするLPG車は、比較的安定した燃料供給が続いている。
 
LPGは「プロパン」とも呼ばれ、ガスボンベなどで普及。ガス管で天然ガスを供給する都市ガスと異なり、安全
点検が容易でどこでも設置できるため、災害時に強い燃料とされる。
LPガス自動車普及促進協議会によると、国内のLPG車は約27万台で、ガススタンドは約1900カ所。燃料価格は
1リットル約80~90円と安く、主にタクシーや教習車に使われている。
メーカーによる製造と、業者による改造の2種類があり、スクーターからトラック、フォークリフトなどの特殊車両まで車種は幅広い。ガソリンとLPGが使えるハイブリッド車もある。改造を請け負う「インテグラル」(埼玉県所沢市)の上田正之社長(56)は「日本は燃料をガソリンと軽油に一極集中し過ぎているのが問題だ。もっとLPG車を知ってほしい」と指摘する。

被災地となった福島県南相馬市の顧客に昨年末、納車したばかりだったといい、「このガソリン不足の中、非常に役立っています」と感謝のメールが届いたという。改造費用は約50万円からだが、エンジンの寿命が短くなる場合もあり、注意が必要という。
資源エネルギー庁の担当者は、イタリアなどに比べLPG車が普及しない理由として知名度不足を挙げ、「欧州の
一部では燃料価格が高騰するとLPG車が増えると聞くが、日本では事業者向けばかりで、一般向けのカタログには
載っていない」と嘆く。

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